初めての離乳食がうまくいかない
今回は離乳食についてお話ししたいと思います。
当院ではお兄ちゃんお姉ちゃんたちが来院していただいている関係で、6ヶ月など小さな弟・妹さんにも来ていただいています。
そんな月齢から来ていただいてもむし歯なんてないので、何かお悩みはありますか?とお母さん方にお聞きすると、やはり食事(離乳食)の悩みを相談されることが多いです。
近年では誰でも色々な情報を得られる時代になりましたので、”離乳食 いつから”とネットで検索すれば6ヶ月ごろからと答えが得られます。しかし実際には6ヶ月ごろに離乳食を与えても嫌がる、食べないなんてことはよくある話で、なかなか教科書通りにうまくいかないことが多いです。
離乳食開始時期には舌突出反射が関係している?
6ヶ月ごろから離乳食を始めるということは一般的ですが、なぜその時期なのかというと、赤ちゃんに備わっている舌突出反射というものが関係しています。この反射は赤ちゃんが自分の身を守るために生まれつき備わっている機能の一つで、簡単にいうと、哺乳に関係するもの(乳首や哺乳瓶など)以外は口の中から舌で外に押し出す反射です。この反射によって母乳やミルクなど栄養になるものだけを受け入れ、それ以外の害になりうるものは口に入らないようにして、自分を守る作用があると言われています。
この舌突出反射がなくなるのがおおよそ5〜6ヶ月ごろといわれていますので、その時期が離乳食をスタートする目安だと言われています。ですので、離乳食スタートの時期か迷ったら、スプーンを口に入れて反応を見てみてください。ある日突然に舌突出反射がなくなるわけではなく、徐々に反射が弱まってくる感じですので、あまり強く反射がなければ、または反射がわずかであれば離乳食をスタートするのに良いかもしれません。
ただし、実際に離乳食を与えてみると、食べなかったり、嫌がったり、口から出てきてしまったり、なかなか教科書通りにうまくいかないのが育児です。初めてのお子さんだとここでお母さん方に大きなストレスがかかってしまうと思います。実際に食べなくて悩んでいるというお母さん方は多くいらっしゃるように感じます。お母さん方は一生懸命子育てしていらっしゃる分、悩みも大きくなりがちです。離乳食を食べないことをおばあちゃん(お母さんの母)に相談されると”そんなこと気にしなくていい”なんて軽く返事されることも少なくないと思います。歯科医師という立場で意見させていただくと、体に大きな病気などなければ、今の時代に離乳食を食べなくて入院したなど聞いたこともなく、実際に大きくなってから離乳食のことで子育てを後悔されているお母さんはいらっしゃらないように思います。こんなことを私の妻に、長男が離乳食を食べない時期に話したところ、ものすごく強く反発されて修羅場となったことがありますので、この言葉が実際に離乳食に悩んでいらっしゃるお母さん方に受け止めていただけるのかは分かりませんが、本当に、心配されなくて良いと思います。
ちなみに、我が家の長男は離乳食は何も食べず…妻が悩みに悩んで苦労をしていましたが、結局何も離乳食が進まず…離乳食は諦めて、大人用に作った豚の角煮をを何気なく与えたところ、長男が気に入り、初めてたくさん食べた離乳食となりました。今では良い思い出です。
そんな長男も小学校に入学したくらいから、もりもりご飯を食べるようになり、今では妻が「もう食べるのをやめなさい。」と言っているくらいですよ(笑)
離乳食を作るのは本当に大変だと思います。子どもの健康を考えて、色々な食材を選び、手間暇かけて、はじめはほんの数口のためにお母さんたちの愛情がしっかりとこもっています。そんな離乳食を食べてくれないのは本当につらいと思いますが、お子さんにいっぱいの愛情をかけてあげれることは本当に素晴らしいと思います。そんな愛情をかけて育てられた子は、離乳食がちょっと苦手だったとしてもきっと素晴らしい人に育ってくれると思います。お母さん方もそんな未来をちょっと想像しながら楽しんで育児をしていきましょう。
お子さんのお口のこと、心配なことがあれば豊田市、みよし市からは服部矯正小児歯科にお越しください。離乳食のことも歯科医師&4児の父として相談に乗ることができます。