さて、前回口ゴボについてご紹介しましたが、当院での対応をお話しします、
当院では口ゴボについて特別に専門に対応しているわけではありません。日常の臨床において”口ゴボ”に該当する患者さんは多くいらっしゃいます。その中での対応をお話しします。
口元が出ている状況は大きく分けると2パターンあると思います。
1つ目は、Eラインの位置が正常で、歯が前に出ているパターン。この場合は前歯の位置を後ろに下げることにより口元の改善が見込まれます。多くの場合は矯正治療のために抜歯を行い、その抜歯したスペースを利用して前歯を後方に移動させます。こちらの方はおそらく、皆さんが想像されている口ゴボに当たると思います。
2つ目はEラインの位置が後方にあるために、口元が出ていると評価されてしまう場合です。
例えばEラインの基準のなる鼻の先端の位置は花の高い人と低い人で変わります。また顎(オトガイ)の位置も同様で、人によって下顎が後ろにある人は前歯の位置が適切でも口元は相対的に突出した感じになってしまいます。
上記のように口元の突出感(口ゴボ)はその原因がなんであるかをまず診断することが必要です。当院では口元の突出感があった場合には、精密検査の際に、X線写真などの分析を行い、その原因を明らかにします。それによって対応方法を検討します。
また小児歯科も担当する歯科医師として思うのは、大人になったからでは下顎の位置など骨格的な因子は変化させることは難しいです。子供の時からそういった傾向を掴み、早いうちに骨格に対してもアプローチをかけることによって口ゴボが予防できるかもしれません。早いうちに歯科医師に相談してみてくださいね。