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ブログ 予防歯科

むし歯予防には歯磨き習慣が大切

子どもが歯磨きを嫌がってやってくれません。

仕上げ磨きがしっかりできているか不安です。

 

こういった相談をよく受けます。

歯磨きはむし歯予防に関して、とても重要なので、心配になるお気持ちはとてもよく分かります。我々はお口の中のプロですので、それぞれのお子さんに合った歯磨きの方法などをお伝え出来ますので、まずは歯が生えてきたらお口の中を見せに来てくださいね。

 

中にはむし歯になってから来院される方もいらっしゃいますが、歯医者のスタートがむし歯治療だと、『歯医者さんは痛いことをされるところ』というイメージがついてしまい、治療のたびに泣いてしまったり、緊急性がある場合は泣いているところを無理やり治療したりで、とても悪循環になってしまいます。

だから、歯医者さんは

・『歯がキレイかチェックしてもらうところ』

・『歯が上手に生えてきているか確認してもらうところ』

・『歯磨きの仕方を教えてもらうところ』

というように、アニメなどで表現される歯を削るところ、歯を抜くところなど怖いところのイメージではなく、家族みんなで歯を守ってきれいな歯並びを作っていくところというプラスのイメージを持っていただけるように、小さいときから来院していただくことをおすすめします。

 

<我が家の歯磨き事情>

我が家には4人の子どもがいますが、みんな上手に歯が磨けるわけではありません。

 

 

<まずは長男から…>

長男の歯磨きはとても大変だったと記憶しております。

離乳食もほとんど食べず、とにかく口にスプーンや歯ブラシなどのものが入ってくることを極端に嫌がる子でしたので、歯磨きも大変でした。

私は患者さんのお口を触るのが日常ですので、口のどこに指を入れたら口がふさがらないか、少しでも負担が少ない方法など、歯ブラシの方法が分かっていますので、暴れられながらも歯磨きすることができました。

しかし妻の場合にはまず、赤ちゃんの口の中に指を入れることから抵抗があったようで、なかなか思うように歯磨きができませんでした。暴れる長男を無理やり寝かせて足で抑えつけて強引に歯磨きするという感じでした。『歯磨きしなければいけない!』という母としての思いが強すぎて、必死だったのだと思います。親として子供を思う気持ちとしてはとても素晴らしいものですが、嫌がる子どもを抑えつけて必死に歯磨きを行うお母さんの表情・・・子供から見るとどんな風に見えるのでしょうか?

ある調査では、歯磨きが嫌なのではなくて、お母さんを下から反対に見た顔がものすごく怖いから嫌だという結果が出ています。普段みているお母さんやお父さんの顔が反対向きで、自分をのぞき込んでいて、さらに必死な顔をしていればちょっと怖いかもしれませんね…。歯磨きの時間は、本来は親と子の優しいスキンシップの時間です。いつも遊んでくれる時のお母さんはニコニコでとっても優しいのに、歯磨きの時だけこわーいお母さんが現れたら歯磨きも楽しくなくなってしまいます。歯磨きタイムは楽しい時間になるように工夫が必要かもしれません。

我が家の長男は大好きな滑り台でゴロンとなって向い合って歯磨きする場合は全然嫌がりませんでした。必ずしも正しい姿勢で仕上げ磨きをさせないといけないというわけではないので、まずは歯磨きをする習慣づけを目標として、その子が楽しく歯磨きできる方法を探してみてください。パペットのお人形でお話しながらやってみるとか、上手に歯磨きできたらご褒美シールをあげるとか…少しだけ甘い風味の歯磨き粉をつけるのもおすすめです。また、まじめなお母さんなどでは歯ブラシを持つ手に力が入りがちです。その場合、歯ブラシが硬く感じ、歯ぐきに当たって痛くて嫌がるという場合もあるので、先が柔らかいものに変えてみるのもいいかもしれません。

当院では受付におすすめの歯ブラシも置いてありますので、一度、スタッフに相談してみてください。診療室内では実際に触っていただける見本も準備してあります。

 

<次男・三男の場合>

この二人は初めから歯ブラシが上手にできていたので、正直あまり記憶にないのですが…(笑)

2番目3番目…のお子さんは、上のお子さんが歯磨きしている姿をずっと見てきているので、『歯磨きはやらなければいけないこと』という認識がはじめからあるように思います。

我が家はお風呂からあがったら、すぐに歯を磨くというルーティーンなので、声掛けしなくても歯磨きはしています。

 

ただ…

下のお子さんほど要領がよくなるので、適当に自分で歯を磨いて「歯磨き終了!」になってしまうことがないように気を付けてくださいね。うちの場合は仕上げ磨きを面倒くさがって、「歯磨き終わった~」と勝手に歯ブラシを片付けてしまいます。その場合は歯ブラシをもう一度もってきてもらい、仕上げ磨きをしてあげてください。

また、その子によって歯磨きの上手い下手があるので、「何歳まで仕上げ磨きをするべきか」ということは一概には答えられません。子によってそれぞれ必要なことは違います。だから定期的に通っていただいて、汚れのチェックをさせてください。

 

 

<長女の場合>

現在1歳6か月の長女も、お兄ちゃんたちが歯磨きをしている姿を見ているので、「ついにアタチにもこの時がきたか!」と言わんばかりに、初めから喜んで口を開けてくれました。でもよく歯ブラシを噛みます。ものすごい力で噛みます。しっかり磨けません…

我が家でもこんな感じなので、『しっかり磨けない…磨かなきゃ!』と力まずに、『歯ブラシを口に入れさせてくれた◎今日は前歯がしっかり磨けた◎』と少しずつ赤ちゃんが歯磨きに慣れていけるように進められるといいですね。

 

<歯ブラシの事故に注意>

歯磨き習慣とは直接関係がありませんが、我が家では歯磨きの時に徹底しているルールがあります。それは歯ブラシを口にくわえたまま歩かないこと!忙しい大人は結構やりがちですが、こどもがくわえたまま歩くと、のどに歯ブラシがささってしまうという思わぬ事故につながります。こういった事故は結構多く、もし起こってしまった場合は緊急手術などが必要になることもあります。ですから、我が家は赤ちゃんの時から徹底して座って歯磨きをさせています。小さくてまだ分からない場合は子どもに歯ブラシは持たせません。歯磨きをする場所まで親が持って行って座ってから子供に歯ブラシを渡します。上の子たちは幼稚園に通い始めてからも妻がソファーまで歯ブラシを持って行っていました。

 

寝る前の忙しいバタバタした時間なので、危ないと分かっていてもついついくわえたまま歩かせているかもしれませんが、『歯ブラシを口から出そうね』とか『危ないから歯ブラシは座ってしようね』と一言だけ、根気強く声掛けしてくださいね。