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ブログ 矯正歯科

しっかり噛む習慣が大切

かみ合わせ 歯並び

<永久歯が生えるスペースを確保する>

矯正治療をせずに顎を大きく発育させるにはどうしたらよいですか?という質問を受けることがあります。実のところ何をしたら確実に顎が大きく成長するかは明らかではありません。出生時の体重や赤ちゃん時代の哺乳の状態、体の発育、呼吸様式(鼻呼吸・口呼吸)、口の習癖(ポカンと口が開いているなど)いろいろな要因が関係して口や歯並びは発達します。

その中の要因の一つとして、よく噛むことがあげられます。よく噛むことであごの周りの筋肉が刺激を受け、その刺激によってあごの骨が成長します。逆によく噛まないと筋肉が使われず、あごも成長していかないといわれています。きれいな歯並びとなるよう、よく噛む習慣をつけてあげましょう。

よく噛むことというのは歯科ではよく言われるのですが、患者さんたちからは“よく噛むこと”が具体的によくわからないと言われることが多いです。“小さいころからお肉などの硬いものを与えればよいですか?”と質問されることもありますが、まだ歯が数本しか生えていないのに硬いものなどは食べることは本来できません。もし食べることができているという状況があればそれはしっかりと噛めているのではなく、あまり噛まずにのみ込む力をトレーニングしていることになってしまいます。お口の発育や歯の生えるスピードはかなり個人差が大きいです。その子に合った適切な食事を与えることが大切です。その中でしっかりと噛むことが大切となるわけですが、硬いものを頑張って噛むというよりは、いつもの食事を回数かけて噛んでからのみ込むということが大切なように感じます。

お子さんが一口のご飯を何回くらい噛んでからのみ込んでいるのか一度みてみてくださいください。

 

<食生活の変化があごの成長を止めている>

子どもによく噛む習慣をつけてもらうには、普段の食生活から見直していく必要があります。根菜類が食事の中心だった戦前に比べ、現代の食事はファーストフードやインスタント食品、またハンバーグやオムライス、パスタなど、あまり噛まずにのみこめてしまうものが中心です。

だから、普段の食事の中で、噛む回数を増やせる食材を使用してみましょう。食材選びにあたっては、硬さに加えて噛みごたえがあるかどうかを意識してみてください。

 

硬いたべものの例として、アーモンドやピーナッツ、煎り大豆などが挙げられます。かみ砕くのに力がいる食品ですが、一度にたくさん食べることはできないので他の食材と合わせて使ってみてください。

 

弾力の大きいものだと、干ししいたけ、油揚げ、こんにゃく、いか、餅などがあります。こういった食材は嚙み切りにくいため、かむ回数が増えるのでおすすめです。大きめに切るとより効果的です。

 

食物繊維が豊富なものの例として、ごぼう、たけのこ、きのこなどがあります。かみ切らないとのみ込めないのでかむ回数も増えます。

 

ぜひ、一度試してみてください。

(しっかりと噛める歯並びを持ったお子さんに試してあげてください。乳歯の歯並びが完成するまでは硬いものや弾力が強い食材は十分に噛むことができないので無理して与えないようにご注意ください。)

 

ぜひ試してみてくださいというのは簡単ですが、実際に料理をして食べさせるのは大変なこと。特に、うちの次男三男は好き嫌いが多いので献立を考えるのも一苦労です。

味噌汁だと人参、大根、ゴボウなどを大きく切って入れたいところですが、豆腐やわかめの方が好き。

ハンバーグにレンコンなどを足して、かみごたえを加えたいところですが、手間をかければかけるほど食べなくなります。

カレーライスもゴロゴロ野菜が入っている方が、作る方も楽なのに、我が家は野菜をかなり細かく刻んでいます。そうしないと食べないからです。

 

週に一度は妻と三男が「これは嫌い」→「じゃぁ何にも食べなくていいよ」などと言い合っていますが、せっかく作ったものを「嫌い」とか「野菜が大きい」とか、文句を言われると言われた方はストレスになります。

ですから無理のない範囲内で、お互いに楽しく食事ができる程度に取り入れてみてくださいね。

 

 

追記:次男の矯正で、奥歯のかみ合わせが少し心配なことと、下の歯がガタガタで永久歯が生えてくるスペースがないので、上の歯と同時進行で下の歯も広げることにしました。

上の歯の装置は月に一度来院してもらって、広げるよう調整が必要な装置です。

下の歯の装置は、取り外しが可能で、夜の歯磨き後から翌朝までつけてもらうタイプのものです。こちらの装置は、週に1回程度、家庭で親御さんにネジを回して広げていってもらう装置になります。こちらも1度は来院してのチェックが必要です。

取り外し可能な装置は、着用して寝るのを忘れてしまったり、面倒になってつけなくなってしまったりと、お子さんだけで管理するのは少し難しいように思います。

ぜひ、「おやすみ」と声をかけるまえに、「装置はつけた?」と声掛けしてあげてくださいね。

歯がガタガタ 矯正下のはガタガタ 前歯ガタガタ

 

改めて見ると、我が息子ながら、なかなかの難症例です。治療のし甲斐があります。