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離乳食、なかなか噛んでたべてくれない

前回は”初めての離乳食がうまくいかない”と題してお話しさせていただきました。

 

離乳食が進んでくると、食べることは食べるけど、どのように食べているか、具体的に多いのは、”噛まずに飲み込んでいるように思う”といったご相談が多くなるように思います。

 

離乳食の時期に”しっかり噛んで食べなさい”といっても理解してくれるわけはなく、なんとかして噛んで食べれるように仕向けていきたいところです。

最終的にはよく噛んで食べる癖をつけることにより、顎も発達して、結果として歯並びが良くなることが理想だと思います。

それを目指すために気を付けていきたいポイントを挙げていきたいと思います

 

①まず1つ目ですが、前回の離乳食のお話にも関連してくるところでありますが、哺乳の時期から顎の動かし方には違いが出てきます。

母乳など飲んでいる赤ちゃんはどのように口を使っているでしょうか?いま授乳しているお子さんがいるお母さんはお子さんの口の動きを観察してみてみてください。大人がストローで吸うような口の使い方はせず、口を開けたり閉じたるするように顎を動かしながら飲んでいませんでしょうか?これは特に母乳で育ってきている赤ちゃんに多いように思います。哺乳瓶の場合はあまり吸わなくてもよく出るので、こういった動きをしなくても口にミルクが入ってきます。哺乳瓶より出にくい母乳の方が積極的に哺乳しないと母乳が出ないので、こういった動きが強くなるように思います。

この動きはそのまま離乳食初期の食べる際にも利用されます。その動きを伴いながら離乳食が進んでくると、離乳食に固まり感や硬さが出てきた際に歯ぐきで噛むようにして物を潰すよう噛むような動きになります。つまり、顎の発育は母乳やミルクの時期から影響されています。近年は出生時の体重が小さく、やや未成熟で生まれることが多いですので、哺乳からうまくいかないこともあります。しかし、もし体重などの成長に問題がないのであれば、哺乳瓶の乳首などをお口の発達を考慮したものに変えてみてもいいかもしれません。こちらは実際に離乳食が始まるよりも前のポイントとなります。

 

②2つ目は、離乳食の進め方です。育児雑誌などには例えば”9~11ヶ月ごろはバナナくらいの硬さで”といった記載があると思います。しかし、実際の臨床の現場では10ヶ月の子でまだ歯が2本しか生えていない子から、奥歯が生えている子まで、同じ月齢でもその子によってお口の中の状況は全く違います。歯の生えるスピードは本当に個人差が大きいですので、歯科医師の立場としては、月齢で区切るよりも、お口の状態によって離乳食を進めるスピードを調整するのが正しいと感じています。

そもそも、なぜお口の状態と離乳食の関係が大切かというと、例えば、前歯しか生えていない子がどこで食べるのが正解かというと、奥の歯が生えていない歯ぐきのところで物を潰して咀嚼するのが正しい動きです。もし、この時に、歯ぐきでは潰せない物が口に入ってきた時にどうなるかというと、噛めないので吐き出してしまう子はまだ良いですが、食欲が強い子だと、噛まずに飲み込んでしまいます。そうすると飲み込む力ばかりついてしまって、いざ奥の歯が生えてきても飲み込む力が発達していますので噛む必要がなく丸呑みしてしまいます。そうすると、日頃からあまり噛まない癖がついて成長していきますので、顎の発達も悪く、歯並びが悪くなってしまします。このブログに愛知県歯科医師会監修のパンフレットを載せますので、月齢と離乳食の関係ではなく、お口の中と離乳食の関係から見直してみてください。あまりお口の中の状態と離乳食の関係が崩れていると、丸呑みや飲み込む癖に繋がってしまっているかもしてません。

お子さんのお口のこと、心配なことがあれば豊田市、みよし市からは服部矯正小児歯科にお越しください。離乳食のことも歯科医師&4児の父として相談に乗ることができます。

 

ちなみに4人目の子はあまり噛まずにのみ込んでいます。麺類などは半分のみこめても半分は口に残ったりして少し大変なことになることがあります。おしゃべりもできるようになり、こちらの言うことも理解できるようになってきたので、「しっかりもぐもぐしようね!」と言葉がけをしながら、噛む練習をしているところです。子育て中の悩みはどのご家庭でもあると思いますので、気軽にお話ししに来てくださいね。